猫の死骸屋さん

初めまして。安堂(Andou1126)と申します。詩や短歌などの文章表現を手広くやってます。 現在は主に「煉瓦」(renga_bungaku)にて作品を発表しています。 このブログは、普段書かない長い文章の練習を兼ねて、エッセイや備忘録など自由に書いて行こうと思います。 堅い人間なりに好き勝手書き散らかします。よろしくお願いします。

忘れる癖

  忘れっぽいのはいつものことで、思いついた端から忘れていきます。夜、眠ろうと布団にもぐってからの十数分は特に顕著です。瞼を閉じて視界を真っ暗にすると、様々な想像が頭の中を駆け巡ります。その時考えたことは何のとりとめもないことです。関連性のあるようで突拍子もないことについて連想ゲームのように考える忘れるを繰り返します。ぐるぐると頭を回し続け、思考の糸が切れ、暗闇に向かって意識が飛んでいきます。翌朝、何か考えていたなあという、ちょっとした充実感と共に目を覚まします。充実感はシャワーの湯気と共に霧散します。

 面白いことを考えていたという自負はあるのですが、その内容がどうしても正式な記憶として取り出せないのです。眠るときに厳重に鍵をかけているのでしょうか。その引き出しが、昼間の友人との会話や、退屈な時間を持て余しているときに、ふと音を立てて開くときがあります。そのときは、フリーマーケットや古着屋で掘り出し物を見つけた時のように嬉しくなります。感動を無表情で噛みしめて、一点を見つめているので、人は急に止まった私に驚きます。少しだけ、申し訳ないです。

 私の癖のひとつの解説でした。