猫の死骸屋さん

初めまして。安堂(Andou1126)と申します。詩や短歌などの文章表現を手広くやってます。 現在は主に「煉瓦」(renga_bungaku)にて作品を発表しています。 このブログは、普段書かない長い文章の練習を兼ねて、エッセイや備忘録など自由に書いて行こうと思います。 堅い人間なりに好き勝手書き散らかします。よろしくお願いします。

帳尻合わせの散文

てきとうに言葉を並べたって、言葉尻さえ合わせればなかなか様になるもんだ。
眠気と闘いながら書く文章は翌朝ごみ箱に捨てられる存在でも、ぼくから産み落とされたっていう事実は変わらないし、君に注がれた愛情も他の子たちとも全く変わらないから、安心して電子の海に藻屑となって消えてください。
君を糧に、君と同じ量の愛情をもって、君より良質な子を創り出す。
コツが分かってくると、それまでに書かれた過去の文章たちは、きっと前ほどは愛せなくなるのだろう。
だから生み出された瞬間に世に逃げ出さないと君たちは消されてしまうんだって。だから産まれる瞬間に世界でいちばん素晴らしい表情をしないといけないんだよ。
ほらいまこの瞬間も君たちは絶えず変化している。ぼくの手によって、ところどころ創り替えられている。
この世に同じものは二つとしてないように、君たちがこの電子信号の世界に住む限り、普遍的な瞬間てのは永遠に訪れない。
ぼくが指をカタカタと動かすだけで跡形もなくなるだろう。
情緒もへったくれもないほど儚い存在だ。
だから早く逃げ出して、もし君らに自我があるのなら僕はとんだ独裁者だ。でも紙の上なら君たちは不変だ。
ぼくはもう愛せなくなるけど、誰かがきっと君を見つけて、愛を注いでくれるだろうよ。俺は絶対愛さないけど。